nautilus notes

最近は主にObsidianのこと

Obsidianがオープンソースではない理由と今後の可能性

Obsidianのソースコードは公開されていない。
いわゆる「第二の脳」として使うことを考えたとき、ソースコードが公開されているかどうかを重要視する人は少なくなくて、僕も(重要視というほどではないものの)「公開されているほうが嬉しいな」と思うタイプの人間なので、ちょっと調べてみた。

オープンソースではない理由

Silver(開発者の一人)がフォーラムで「今のところオープンソースにする意味はない」というようなことを言っていた。
Open Sourcing of Obsidian - #11 by Silver - Meta - Obsidian Forum

理由は以下だ。
1. オープンソースだから安全だとは限らない
2. オープンソースだからより早く改善できるとは限らない
3. オープンソースは必ずしも永遠に続くわけではない
4. オープンソースとして開発するには労力がかかる

2つ目と3つ目、4つ目に関しては、個人的には完全にその通りだと思う。
1つ目は「クローズドだと勝手にデータ取られてるかもしれないじゃん」という反応に対するもので、彼は「セキュリティ監査いれれば保証できるかもしれないけど絶対じゃないしお金もかかる」というようなことを言っているのだけど、これは僕にはあまりピンとこなかった。
少なくともオープンソースであれば(労力を厭わなければ)自分の目で検証できるし、それが重要なことに思える。ただオープンソースだったところで、現実的に自分でコードを読んで使う人なんてごく稀だとは思うし、それよりも単にプライバシー・ステートメントを明確化することで対応しようとするのは、十分に理解できる。

他にも、Licat(同じく開発者)が「ビジネス上の観点から」オープンソースにしないことの意味を語っていて、これももっともなことを言っている。
https://forum.obsidian.md/t/open-sourcing-of-obsidian/1515/38
https://forum.obsidian.md/t/open-sourcing-of-obsidian/1515/39

本筋から離れるけど、この人は本当にコメント返しがうまい。たとえばこれとかカッコいい!

If you are unsatisfied with the alternatives, and believes that Obsidian is truly excellent, then I would invite you to consider that maybe, just maybe, some parts of this success can be attributed to the close sourced magic sauce.

言うべきことをきちんと言いつつ相手を立てる、みたいな感じで、コミュニケーション能力強いなと思う。あと、文章がうまくて優秀なハッカーなんだろうなと感じてしまう(これは「優秀なハッカーは文章がうまい」という有名な話に引きずられているだけ)。

今後の可能性

上記の投稿をみた感想として、開発/運営の体制がよほど変わらない限り今後もオープンソースになることはないだろうなと感じた。

冒頭にリンクを張ったフォーラムや以下のHNコメント欄では、開発者が「開発を継続できなくなったときはオープンソースにするのも悪くない選択肢かもね」みたいなことを言っていて、これには期待したい。
news.ycombinator.com
「開発を継続できなくなったらオープンソースにすると事前に約束するのもありかも」みたいなアイデアも出ていて、利用者としてはもちろんそっちのほうが嬉しいけど、結果的にオープンソースにするのと事前に約束するのはまったく話が違うし、事前の約束に期待するのはあまりにも無理があるかなと思ったりした。

どうでもいい感想

フォーラムにはオープンソースにするべきだ!みたいな人が大量にいてビックリしてしまった。そんなにオープンソースのObsidianが欲しくて、しかも実現可能だと主張するくらいなら自分で作ればいいのではないだろうか? 単に「オープンソースじゃないなら使わないぜ」みたいに言う人は全然良いと思うのだけど・・・

おわりに

フォーラムから開発者のコメントをかいつまんでみたけど、英語が苦手なのできちんと意図を取れている自信がない。
遠からずだとは思うけど、適宜該当のコメントにリンクを張ったので、できれば原文も読んでほしい。