nautilus notes

最近は主にObsidianのこと

Obsidianをナレッジベースとしてずっと使い続けることが可能か考えてみる

Obsidianではなくneovimを使うようにしたという記事を見かけて考えたことを書く。
jmatsuzaki.com

たしかにナレッジベースを構築する際、そのシステムが恒久的に稼働するかどうか(あるいはいざとなれば他のシステムに引っ越せるくらい汎用的なフォーマットになっているかどうか)はとても大切だ。
Obsidianはオープンソースのソフトウェアではない。ソースコードがあるなら大概のことはなんとでもなるが、Obsidianではそうはいかない。

Obsidianを使い始めたときはそんなに本格的に使うつもりがなかったこともあって深く考えていなかった。毎日使っているうちに、これからもずっと使い続けていきたい気持ちになってきたので、一度真面目に考えてみる。

言うまでもないけど、この記事で他の選択を否定する意図はまったくない。もちろんneovimを使うのも十分理解できるし、vscodeでも良いと思う。dokuwikiとかemacsもいいと思う。リンク先の記事でも、Obsidianを全く否定していない。好みの問題だ。僕はObisidianが好きだが、それだけだ。

Obsidianはスタンドアローンで稼働するか

ずっと使いたいと考えたとき、(極端なことを言えば)最低限気にしなければいけないのは「スタンドアローンで稼働するか否か」だけだ。

ネットワーク通信が前提のシステムだと、サービス終了と同時に使えなくなる危険性がある。
たとえば起動時にライセンスサーバーとの通信でライセンス認証するようなサービスだと、サービス終了してサーバーが停止されたら起動できなくなってしまう。スタンドアローンで動くようになっているならそういう心配はない。

また、ネットワークから遮断された端末で稼働するなら、セキュリティアップデートが止まっても基本的にはリスクなく使い続けられるはずだ。「Obsidian専用端末」を用意して、一切ネットワークに繋がず利用すれば良い(それが便利かどうかは別として)。

だからまず第一にスタンドアローンで動くかが気になっていたのだけど、調べてみると特に問題なく動きそうだった。

Obsidianはプライバシー・ステートメントでネットワーク通信について触れていて、ものによっては必要に応じて通信をオフにできるとも書いている。
obsidian.md
ネットワーク通信しない場合Obsidian自体のアップデートとテーマやプラグインの導入ができなくなるが、それだけだ。
テーマやプラグインもUIからポチポチで導入ができなくなるだけで稼働はするし(ローカルの.obisidian以下にスクリプトが配置されている)、大きな問題にならない。

実際通信をオフにして起動しても、普通に使えた。これでひとまず一安心だ。

Obsidianを動かし続けることは可能か

仮にObsidianの開発が止まり、やむを得ずネットワークから遮断されたObsidian専用端末を準備して利用しつづけたとする。その際に心配になるのは、端末の故障だ。初代Obsidian専用端末が壊れた時、二代目を準備することはできるだろうか?

考えたほうがいいのはOSと、それが乗るCPUのアーキテクチャだろう。

まずOSについて。たとえばwindows12が発表された際、既にObsidianの開発が止まっており、「Obsidianはwindows12では動かない」という状況になったとする。仕方がないのでwindows11のObsidian専用端末を準備して動かす必要があるが、いつかwindows11の端末が手に入らなくなるかもしれない。

この問題に対応するためには、windows11のインストールメディアか、あるいはLinux用のObsidianを準備しておくと良さそうだ。Linuxの場合、古いバージョンが手に入らなくなることはちょっと考えにくい。

次にCPUのアーキテクチャについて。Obsidianが動くOSを確保しておいたとしても、そもそもそのOSとObsidianが動くCPUアーキテクチャの端末が手に入らなくなったらお手上げだ。
例えばRISC-Vがこのあと世界のデファクトになってx86-64を駆逐した場合、Obsidianを動かす端末の準備に苦労することになる。

これに関してはどうしようもないが、ここまで世界に広まったx86-64の端末が(一般的ではなくなるかもしれないが)手に入らなくなることはちょっと考えにくい。2023年になってもZ80のCPUが手に入るのだから、少なくとも数十年は大丈夫だろう。なので、この点は妥協してもいいかなと思った。

というわけで

すこし考えてみたが、「ある日これまで作ってきたメモ群にアクセスできなくなる」ような事態はObsidianではあまりなさそうで、ひとまずは安心していいかなと思った。

とはいえ現実問題として、「Obsidian専用端末を準備」しなければ行けない状況になってまでObsidianを使うかどうかは微妙だ。そうなるとObsidianの開発が止まったら使うのをやめることになるし、それなら・・・ということでneovimとかemacsみたいなオープンソースを使う選択をするのはよくわかる。この点はまた今度考えてみたいと思った。